A.)阻害しない


が正しいかなと。
陳皮含有生薬とCYP3A4代謝薬を併用した場合のAUCやCmaxを調べた研究がなかったため、あくまで憶測です。
ご存知の通り、グレープフルーツには果皮にも果肉にもフラノクマリン類と呼ばれる成分が含まれております。
これが体内の薬物代謝酵素の一つであるCYP3A4を阻害することで、薬物が体内で消失することなく濃度が上がってしまい効果が強く出てしまう。
よく槍玉に上がるのは高血圧薬のCA拮抗薬であるニフェジピンやアムロジピン。
他にも精神系領域のおくすりはCYP3A4で代謝されるものが多いので、飲酒を控えることと合わせて摂取を控えるように指導されることと思われます。

なら、フラノクマリン類は柑橘系全てに含まれているのか?

正解はNo.

愛媛大病院の薬剤部の方がまとめたpdfがあるのでそちらを参考に。
(http://www.hsp.ehime-u.ac.jp/medicine/wp-content/uploads/DINEWS20120301.pdf)

温州みかんははっきりと相互作用がないとされています。
よって、タイトルの答えは阻害しないが正しいです。


たまたま、漢方の歴史の中で「温州みかん」が「陳皮」として生薬に用いられたので問題はありませんでした。
もし、「夏みかん」や「はっさく」が陳皮として用いられていたら。
薬剤師の処方監査で「このおくすりは今出てる生薬と相互作用を引き起こすので疑義照会」といったことになった、かも?