ソース:対物から対人にシフトするための2つのポイント
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/hazama/201802/554990.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/hazama/201802/554990.html
たまたま在宅医療の講演会内で狭間先生の講義を拝聴する機会がありました。
そのときは肩書紹介などもなかったため、どういった方か分かっていなかったのですが、なんと日本在宅薬学会の理事長!
(在宅医療の講演会に参加しておきながら大変失礼な話でした……)
医師でありながら実家の薬局に戻り経営を担う狭間先生の話は、薬剤師を目指すものとして大変耳の痛い話ばかり(本来こうであってはいけないのですが)で、一度は聞いてみた方が良いかもしれません。
医師の指導で気づかされるとは恥ずかしい話ではありますが、そこで不貞腐れず今後はより良くしていこうと気を入れ替えて頑張ることにしました。
さて、
対人業務とは
薬剤師の対人業務とは、患者さんの話をじっくり聞き、患者さんの背景や文脈に沿って分かりやすい服薬指導を充実させることではありません。患者さんの健康状態の問題を解決するために、薬学的専門性の高い業務を行うことです。
薬学的知見とは、
患者に分かりやすく伝えるコミュニケーション力ではない。
当然のことですが、薬局で実習をしているとついつい忘れてしまいがちな内容。
そもそも薬局ではあまりにも情報が少なすぎます。
与えられる情報は患者から渡される処方せんと年齢程度。身長も体重もわからず、検査値も与えられなければ肝機能・腎機能から動態を考えることすらできない。
ここで思考停止して、
「やはり少ない情報で専門性は発揮できない、サービス性を重視しよう」
とするのではなく、最近流行りのフィジカルアセスメントや症状を実際に積極的に取っていきましょうと警鐘を鳴らしていらっしゃる。
対人業務を行うために
重要なのは「対物業務に加えて対人業務を行う」のではなく、「対物業務から対人業務にシフトする」ことです。つまり、今の仕事に上乗せして対人業務を行うのではなく、現在の対物業務を見直して、対人業務に重心を移していくということが示されているわけです。対人業務を行うためには、薬剤師の専門性を今一度見直し、
「薬剤師以外にも出来る内容であれば委託する」
といったことが示されています。
ただ、この解釈は私自身の解釈であり狭間先生が直に示したものではございません。
なぜなら、日本では調剤は薬剤師の独占業務であるためフィジシャン制度が成立できず、委託内容に限界があるからです。
文中で「違法性の阻却」と書かれているのもこの内容に触れるためと思われます。
薬剤師が対人業務にシフトするためには、今一度薬剤師の専門性を見直したうえで、日々の業務の洗練化が必要。