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ソース:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサス―高齢者のサルコペニアに関する欧州ワーキンググループの報告―の監訳

町中で見かけるおじい様やおばあ様がよぼよぼと腰を丸めてのろのろと歩いている。
それは好きでそのようにゆっくり歩いているからではなく、早く歩くことができないから。
筋肉が衰えてキビキビ動くことも、姿勢を維持することも辛いため。
そんな「年齢と関連して筋肉量が低下した状態」「サルコペニア(sarcopenia)」といいます。
ギリシャ語においてsarxは筋肉、peniaは喪失を意味します。

サルコペニアは1989年に提唱された概念で、まだ日も浅く定義すらも浮ついたものでした。
そんなサルコペニアに対し、欧州のグループ(EWGSOP)から臨床定義と診断基準の統一見解が出され、のちに日本語訳も提出されました。
冒頭に挙げた「歩行速度の低下」なんと診断基準に含まれているんですよ。
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これに関してソースのQ&Aに乗っている、面白い質疑応答があります。皆さんもできる診断基準です。
診断にある歩行速度0.8m/s以下を見分けるために、横断歩道の青信号は1.0m/sで渡りきれるように設計されているそうなのです。
なので、横断歩道を青信号の間に渡りきれていないとこの疑いが。
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また、若者の横断歩道における平均歩行速度が1.5-1.6m/sとのことだそうですから。
長い横断歩道で一斉に歩き出したとき、若者が渡りきったあとにまだ半分も進めていないとサルコペニアではなかとちょっと疑いがかかります。

サルコペニアは高齢者によく見られ、複数の要因から発症するうえに身体的・健康的障害に繋がることから老年症候群として数えられます。
運動障害、転倒骨折の危険増大、ADL低下、自立性喪失、死亡率上昇などなどに繋がってしまいます。
そして、認知症や骨粗しょう症と同様に若年成人でも発症してしまうことがあるそうです。
筋肉量の低下」を前提とし、「筋力の低下」または身体能力の低下」と複合して診断され、後ろ2つがないとプレ、すべて合致していると重症と診断されます。


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